8月23日(金),~日本の文化を味わおう!~をテーマに夏休み子ども教室の最終回となる「茶道教室」を開催しました。
茶道教室は,日本の伝統文化である茶道を知り,お茶の点て方,お茶やお菓子の出し方・いただき方などを学び,味わうほか,和室などでの礼儀作法,集中力,日本文化の理解など,多くの面で豊かな知識を得て,茶道の楽しさや面白さを体験してもらうことを目的に前年度に引き続き企画し,今回は18名の児童が参加してくれました。
講師に茶道裏千家 教授 後藤 宗惠 先生をお招きし,児童の茶道指導をいただきました。
また,先生の社中であるお二方と,日頃から茶道を嗜み指導実績のある当連合会 道原会長も児童の指導サポートに加わわりました。
まず,後藤先生より正しい姿勢の整え方と,お辞儀の仕方を学びました。
生活のなかで洋式化が進み,正座をし,姿勢を整えることが少ない今の児童たちにとっては,正座もお辞儀も少しぎこちない様子に見えましたが,先生から手を添えてもらうとスッときれいな姿勢ができていました◎
次に,ふすまの開け方(閉め方)の指導を受けました。
「右手(引き手に近い方)を引き手にかけて,少し開けて…そのまま右手を下げて体の中央くらいまで開けて…左手で手かがりを残して開けます…」
児童たちは先生の助言や前の児童の動きに集中し,緊張した面持ちで,姿勢よく指先をそろえてふすまの開け方に挑戦していました。
ふすまの開け方を実践できた児童たちは,床の間に飾られた掛け軸やお花,花器の拝見について学び,掛け軸に描かれた絵や文字をじっと見つめて季節を感じていました。
早くお茶を点ててみたい!おいしいお菓子をいただきたい!…ところですが…
その前に畳の歩き方について説明を受けました。
家などで何気なく畳を歩くことはある児童たち。
しかし,茶道には,畳の歩き方の作法もあるそうです。
・畳のへり(ふち)は踏んではいけない
・すり足を意識して歩く
・入る時,下がる時の足がある…等々
…講師のしなやかに歩くお手本を見つめ,みんな静かに感心していました。
いよいよ児童が最も楽しみにしている“お茶の点て方”“お菓子のいただき方”です。
3つのグループにわかれて順にお稽古します。
【お菓子の出し方・いただき方】
お茶をお出しする前のお菓子の準備をします。
講師からお菓子の説明(今回は「花火」をイメージされた生菓子)を受け,お菓子を乗せる懐紙を折り,そこにきれいなお菓子を置き,黒文字楊枝を方向に注意してセット。
お客様に出す方向に向きを変えて…懐紙からお菓子を落とさないように気を付けて立ち上がり,お客様にゆっくりお運びしました。
お客様役(おもてなしを受ける側)と向き合い…
「お菓子をどうぞ」
「ありがとうございます」
上手なお辞儀をしていただきました。
…初めて黒文字楊枝を使って生菓子を食べた児童ばかりで左右の児童の様子を見ながらお口に運んで…
「おいしい!」と笑顔!
お菓子に続いて,お抹茶を点ててお運びします。
【お茶の点て方・出し方・いただき方】
講師から使用する抹茶を見せてもらい,「抹茶を茶杓に2杓,このくらいずつ…」と説明を受け,こぼさないようにそっとお茶碗に入れ,お湯を入れてもらい,茶筅(ちゃせん)で点てます。
クリーミーなお抹茶を点てるには,「腕をかるく伸ばして 手首のスナップで茶筅をタテ方向にしっかり振って~」と,アドバイスを受けながら心を込めて茶筅を振りました。
お客様役がお菓子を食べ終わるのを確認して,お抹茶を運びます。
自分で点てた抹茶が入ったお茶碗を対面のお客様役にお出しします。
「お茶をどうぞ」
「ありがとうございます」
どんな味か恐る恐る口にする児童…
「おいしい!」と次の一口に進む児童もいれば,
「ちょっと苦~い!」と顔をしかめる児童の姿も…
(多くの児童が初めてのお抹茶を「おいしい!」と感じてくれたようです)
自分の点てた抹茶を相手に飲んでもらい,喜んでお茶碗を下げた児童もいれば,少し残っていて残念がった児童もいましたが,互いに相手を思い,おいしい抹茶を点ててくれたことには違いないので,その様子もとても温かく感じられました。
最後に,後藤先生からお茶の由来や茶道文化についてお話をいただき,感想を言い合い,今日の振り返りとしました。
今日の茶道教室を経験し,多くの児童が伝統的な茶道文化を学び,礼儀作法を身につけてくれた他,人に対する思いやりの気持ちを持ってくれたように感じました。
教室の最後に参加児童より寄せられた,たくさんの感想をいくつか紹介します。
・お茶を点てることができて良い経験になりました。お菓子がとてもおいしかったです。
ふすまの開け方と閉め方も知れてうれしかったです。【2年生】
・初めて食べたお茶とお菓子がおいしくてたまらなかったです。
友だちにも会えたからうれしかったです。【2年生】
・お辞儀と姿勢と立ち方を教えてもらえてうれしかったです。【2年生】
・ふすまの開け方や立ち方,お茶の点て方を知ることができて良かったし楽しかったです。
また来年もあれば参加したいです。【3年生】
・正座をしていたら足がしびれたけど,お菓子がとてもおいしかったです。【4年生】
・畳は黒いところ(へり)を踏んではいけないということが分かりました。【4年生】
・ふすまの開け方や一番きれいな正座の仕方,お茶の点て方などを知れて楽しかったし,おもしろかったし,おいしかったです。
茶道は覚えることがたくさんあってびっくりしました。【4年生】
・今日習ったことをいろいろなところで活かして忘れないようにしたいです。
またやりたいです。すごく楽しかったです。【4年生】
・きれいな花火の色をしたお菓子がおいしかったし,上手にお茶を点てることができてうれしかったです。【4年生】
・お茶を点てる時に縦に混ぜたりすることや,ふすまの開け方・閉め方,畳のふんではいけない所などが分かりました。
ふだん気にしていなかったことを知れて良かったです。お家でもできることがたくさんあったからやってみたいです。ありがとうございました。【5年生】
十日市自治連合会で開催した『令和6年度 夏休み子ども教室』は,以上で終了です。
全4回にわたり,様々な教室を企画し,開催しました。
前年度からスタートした「夏休み子ども教室」,今年度は各教室へ想定した定員をはるかに上回る多数の参加申込みをいただき,若干ではありますが定員を増員しました。それでも参加が叶わなかった児童のみなさんに対しては,お会いできず大変残念です。また,来年度も子どもたちと地域が関わり,共に学びあえる楽しい教室を計画していきますので,これからの当連合会の活動にもご注目ください。
参加された児童のみなさん,ご家族の皆さま,そして,教室を運営いただきました講師の皆さまに改めて感謝いたします。
「ありがとうございました。」
十日市自治連合会 事務局一同